男性としての自信を取り戻す、セルフケアドリンク開発への道

男性としての自信を取り戻す、セルフケアドリンク開発への道。

 

インタビュー画像

2024年、サントリー食品インターナショナル株式会社は、人に言いづらい心身の不調や悩みを抱える若者に向けて、身近な飲料を通じ、心と体の両面からサポートする「menphys(メンフィス)プロジェクト」を立ち上げた。
本プロジェクトの第一弾商品は、男性としての自信を取り戻すドリンク「menphys GABA&アルギニン&亜鉛」と、女性特有のイライラ期を明るく前向きに変えるドリンク「menphys GABA&大豆イソフラボン&鉄分」。どちらの商品も、開発を進めるメンバーはブランドマーケティング本部の若手社員である。
なぜサントリーが取り組むのか、どのように開発が進んだのか、そして人に言いづらい悩みにまつわる商品をリリースする難しさなど、現場社員に等身大の言葉で語ってもらった。
 

“当事者だからこそできることがある”、プロジェクト参加の契機。

──入社後10年間に渡る営業キャリアを経て、現在はブランドマーケティング本部に所属する土屋友胤(ツチヤトモツグ)さん。「若者の心身をサポートするセルフケアドリンク」という、新領域の商品開発プロジェクトに携わることとなった経緯をお聞かせください。

2022年の配属当初から開発としては動き始めており、自分は「ZONe(ゾーン) ENERGY」や「デカビタ」を担当する傍ら、何かしらこの商品開発に携われないかと横目で見ている状況でした。ある時、そのチームリーダーと飲みに行く機会があり、思い切って「自分もチームに参加したい」という意向を伝えました。なぜなら、自分自身も、かつて大事なときに力を発揮できない経験があったんです。

──いつ頃から悩みがあったのでしょうか?

 20代前半くらいの頃からだったと思います。そこまで重い悩みではなかったですが、体調や精神状態によって違いがありました。何か上手くいかないと、それを思い出してまたうまくいかない、ということもありました。

──悩みに気づいた頃、何か調べたり、対策したりしたのでしょうか?

男性の健康維持に良い成分を調べた記憶はありますが、男性向けの活力剤を飲んで対策するというところまでには至りませんでした。

ただ、この商品開発を通して色々な方のお声を聞き、20-30代の若い世代でも、実際に男性向け活力剤やサプリメントを試している方が多いことを知りました。一方で、価格設定や過激なパッケージデザインから「買いづらく、続けづらい」ということを感じている方が多く、そんな懸念を解消してくれる商品があると良いということが、たくさんのお声を聞けば聞くほど分かってきました。

メンタルとフィジカルの両方からアプローチする「menphys」。

栄養素イメージ


──様々な調査、研究を経て開発された「menphys GABA&アルギニン&亜鉛」について、どのような商品か、特徴をお聞かせください。

大事なときに力を発揮できない、という男性特有の悩みの原因には、心と体が密接に関係し合っています。そのため、その両方の関係性を考えて設計したことが、本商品の一番の特徴です。現代人に嬉しいアミノ酸のGABA、フィジカル成分のアルギニン、シトルリン、マカ、高麗人参エキスに加え、健康維持に大切な亜鉛やマルチビタミン等を配合しました。

この“メンタルとフィジカルの両方をサポート”する、という特徴から、「menphys (メンフィス)」というワードが誕生しました。

──開発を進めるにあたって、社内ではどのような空気感でやりとりが行われるのでしょうか?人に言いづらいトピックでもあるので、他の案件とは少し異なるのでしょうか。

開発チーム内では、他の案件と変わりなく議論が行われています。ただ、例えば隣の部署の人から「今どんな仕事をやっているの?」と聞かれた際に、「男性特有のパーソナルな悩みをケアする商品開発」と答えると、「男性向けの活力剤の担当をしているんだ」「ちょっとくれよ」と、少し茶化すようなニュアンスがあったのも事実です。

 

──社内でもまだまだ理解度の差があると。

あると思います。
社内で上申するにあたって、上層部に対して人に言いづらい悩みの話をすると「あらぬ誤解や批判を招いたらどうするんだ」という反応がありました。また、こういった領域への関心度合いや理解度も、人によって様々です。


同じ悩みを持つ仲間の気持ちを自分の言葉で伝えてく。

──社内で理解を得ることが難しい局面では、どのようにして説得するのでしょうか?

 やはり当事者の言葉で伝えることが大事だと思っています。「対象者はこう思っているらしいんですけどね」という他人行儀な物言いだと、どうしても説得力に欠けていて。自分なら悩みを抱えている人たちと同じ目線で語ることができるので、社内の人も、当事者のリアリティのあるホンネとして、耳を傾けてくれるのではと思います。

──商品開発チーム参加時の直談判もそうですが、人に言いづらい悩みに共感を示し、“仕事”として取り組む、そのモチベーションはどういったところにあるのでしょうか?

あまり考えたことはないですが、最初は確かに勇気が必要でした。でもこうして動き回っていると、社内でも、普段あまり関わりのない人からメールで「試してみたい」とか、「自分も悩んでいる」といった連絡がくることがあって。そういった声を聞くと、代表して誰かが言わないといけないし、そうしないと誰もついてこない。それがブランド担当者としての責任だと思うようになりました。

menphys(メンフィス)が目指す未来像。
未来像イメージ

──競合となる既存商品がいくつかありますが、それらとは異なる、「menphys(メンフィス)」の独自性や目指す商品像をお聞かせください。

既存商品が過激なパッケージデザインなのに対して、「menphys(メンフィス)」はシンプル&スタイリッシュで気軽に手に取りやすいデザインにしました。また、手に取りやすい価格設計と、馴染みのある栄養ドリンクの味わいに、新しさを感じるスッキリとした香りをプラスすることで、20-30代の若い方でも買いやすく続けやすい商品設計を目指しました。
同時に気をつけたのが、私たちは“飲料”で悩みを抱える方々に向き合うということ。我々は飲料という身近なカテゴリーで、まだ具体的な行動に移せていないお客様に、まずは気軽な入口を作り、届ける。そこで課題意識をもってもらい、自身の悩みと向き合い、生活習慣の大切さに気付くきっかけとなる、それが「menphys」の役割だと思います。
「menphys」だけでは出来ないこともあるし、逆に「menphys」にしか出来ないこともある。サントリーという企業が取り組むからこそ、多くの人にとっての入口になれたらと思います。

 ──同ブランド名を冠した「menphys GABA&大豆イソフラボン&鉄分」とは、どのような関係性で商品化が進められているのでしょうか?

開発ミーティングやお客様インタビューなど、女性メンバーが主体となって取り組んでいるのですが、男性メンバーもその場に同席し、女性特有の悩みやそのメカニズムを一緒に勉強しています。逆もまた然りで、悩みをお互いに知るきっかけとなっています。

──最後に、土屋さん個人が「menphys(メンフィス)」という商品に懸ける想いをお聞かせください。

男性特有のパーソナルな悩みは非常に重たいものという印象がありますが、悩みが軽い人も含めれば、多くの人に関係する事柄、よくある話だと思っています。その悩みを早く解決できれば、より自分らしく長く生きられることにもつながる。そのための一歩を作ることで、次の世代にもつながっていくはず。
自分たちの世代のことを考えることも大事ですが、次の世代のためになることをやっていきたいです。

 

飲料を通して、若者の人に言いづらい心と体の悩みごとに寄りそう。
サントリーの新規プロジェクトは、ひとりの男性の熱い思い、そして彼に賛同する人々によって進められていました。「menphys(メンフィス)」にぜひご期待ください。